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Friday, July 15, 2005

高知競馬のイブキライズアップ

 高知競馬のヒーロー、イブキライズアップが生命の危機にさらされている。そして、彼を助けようという努力が続けられている。

名馬イブキ生き抜け/高知競馬

 高知競馬の人気馬、イブキライズアップ(7歳)が10日のレース中に左前脚を骨折。通常なら安楽死処分となる大けがだが、経営難の高知競馬を支えた名馬だけに、関係者は「命だけでも助けたい」と回復にいちるの望みをかけている。
 もともと左前脚に重い故障を抱え、中央競馬時代は1レースに出走しただけの牡馬だったが、高知に移籍後に治療を重ねて回復。平成14年1月から1年半、圧倒的な強さで18連勝を飾った。
 15連勝のころから競馬場はイブキ人気に沸き、同馬が走る日はゴールデンウイーク並みの9000万円近い売り上げを記録。出来高払い制の導入でじり貧に落ち込んだ競馬場経営を下支えした。
 佐賀競馬場で行われた中央競馬との交流レース(平成15年8月)は6着に終わったが、不得手な短距離を1コーナーまで2番手で逃げた“いちかばちかの1着狙い”は競馬ファンを喜ばせた。同レース以後、今度は後ろ脚が悪化。昨年12月の県知事賞を制して再び復活すると、場内は拍手と万歳、「ありがとう」コールに包まれた。
 今月10日の第10レースでスタートして間もなくレースを中止。左前脚のひづめの上にある第一指骨の複雑骨折だった。競走馬への回復は見込めず、通常なら安楽死処分だが、関係者は「これほどの馬を死なすわけにはいかない」と治療を試みることに。
 薬殺せず救命を試みたケースとしては、中央競馬のテンポイント(昭和53年)が有名だが、500キロの体重が350キロにやせ、蹄葉炎(ていようえん)を併発、1ヶ月余り後に死亡した。
 県競馬組合の獣医師、植田泰正さんは「馬は三本足になると衰弱していく。相当にひどいけがで、極めて厳しいことは分かっているが、望みは捨てない。苦しいときに高知競馬を支えてくれた救世馬。この馬がいたからハルウララ人気につながった」と涙声。
 宮路洋一調教師は「まだ食欲もあり、生きる意欲があるので、ひょっとしたらと思っている。歩けるようになりさえすればいい。もし助かれば、牧場で余生を送らせたい」と話している。
(高知新聞2005年7月13日)

 改めて書くが、イブキライズアップは高知競馬のヒーローだ。多くの関係者とファンが深い思い入れを持ち、期待をかけていた。ハルウララ登場以前から高知競馬を見つめている人にとっては、このイブキライズアップこそが夢を持てる存在だったと思う。

ibuki_01 彼を初めて見たのは2年前の3月22日。黒船賞の翌日の的場文男騎手招待チャレンジカップだった。ここで12連勝となるが、まだ条件クラスということもあり「連勝馬」というだけのイメージしか持たなかった。
 再び見たのは3ヶ月後。このときは以前と違った。連勝を積み重ねてオープンに駆け上がり、高知のトップが相手でも強い競馬で負けることはなかった。連勝をどこまで伸ばすかが注目の的となっており、横断幕が張られるなど応援の気運も高まっていた。何より、高知競馬がこの馬をヒーローとして売り出していたし、地元メディアで紹介されていた。28日の土曜に行ったとき、翌日の高知優駿よりもイブキライズアップ出走の宣伝をしていたほどだ。サポートKRAのグッズ販売(Tシャツなど)もこの頃からではなかったろうか。
 実況の橋口さんに、イブキライズアップについて聞いてみた。前走の四万十特別で見せたパフォーマンスに対する驚きなど、楽しそうに話してくれたことをおぼえている。「スタートは悪いんですよ」「1400mだと短い。長い距離のほうがいいですね」といった話も。とでんサウナ特別での勝ちっぷりを見届けたあとに、「全国に挑戦するんですか?」と自分から聞いた。
 経営状態が悪い高知競馬だから、気落ちしそうな話もよくするのだが、高知競馬の人たちはとにかく前向きだった。イブキライズアップのような馬が現れて、高知競馬をさらに元気づけているのはうれしかった。

ibuki_02 ただの連勝馬でない要素があった。イブキマイカグラが父という地味な血統、芦毛の白い馬体など。中央競馬で1走しかできずに、全国でも最下層の競馬場に流れ着いて、連勝でのし上っていくというストーリー性もあった。実際にイブキを見て、現場の声や雰囲気を感じたからこそだろうか…惹かれるものがあった。
 正直、全国レベルのレースを勝ち抜けるまではどうかと疑問を持っていたが、どれだけやれるかという楽しみがあった。何より、高知の代表として出るならワクワクできそうだった。
 サマーチャンピオン(佐賀GIII)に挑戦すると知ったとき驚いた。同じ時期の建依別賞(たけよりわけしょう)で重賞初挑戦を目指すと思っていたから。挑戦するなら、2100mの白山大賞典(10月)と思っていたから(かつて、高知のマルカイッキュウが2着に健闘したレースだ)。
 6着に敗れはしたものの、レースに挑戦するまで、そして積極的レース振りは多くの人を喜ばせるものだった。このときは、最近の交流重賞に足りないもの――“チャンレンジ”があった。地区を代表してファンと関係者の期待を一身に背負って挑むという、熱くさせるものが。たとえば、昨年のコスモバルクにあったものだ。

ibuki_03 ただ、この遠征は尾を引くことになる。そして休養。復帰したらストロングボスという強敵が現れていた。ライバル登場はうれしいことだが、負けるのはファンには寂しかったかもしれない。長い距離ではナイキアフリートに負かされた。
 そんななかで、高知県知事賞という大一番で重賞初制覇を達成したのは自分にとって、マルチジャガーの全日本アラブグランプリ制覇につづくとても喜ばしいことだった。現地で見ていた多くの人が感動したのではないだろうか。残念ながら、自分はその場にはいなかった。
 今年に入ってからは勝てないレースが続き、黒船賞は後方を走るだけだった。そして、7月10日のアクシデント…。あとは、高知新聞の記事が詳しい。

ibuki_04 昨日(14日)、関係者に聞いたところ「今日は落ち着いている。ただ、骨折の程度が重く、予断を許さない状況」とのことだった…。
 イブキライズアップはハルウララでブームになる以前の高知競馬全体を、ブームの陰ではトップ戦線を盛り立てた。高知競馬の功労馬であり、ヒーローだった。
 高知競馬の名を全国区にしたハルウララにつづき、イブキライズアップまで道半ばで奪われるのならあまりにも悲しい。イブキライズアップだからこその辛さがある。今は祈るばかりだ…。

【参考】
イブキライズアップ 登録情報(NAR)
イブキライズアップ 出走履歴(NAR)
イブキライズアップ(Ryoma Derby)
高知県知事賞優勝・イブキライズアップ(Ryoma Derby)
2003/6/11 調教・厩舎取材(Ryoma Derby)
2003/6/28-6/29 高知競馬場(Ryoma Derby)
ゴールポスト通信(Ryoma Derby)
2003/5/19 「高知競馬」という仕事(高知新聞)
“出戻り”の考察 進む地方の「植民地化」(サラブnet)

【高知競馬ニュース】
・24日まで、10月にデビューする女性騎手・別府真衣さんの騎手服デザインを募集中。
・24日にばんえい競馬の重賞「北斗賞」を場外発売。高知競馬では初めて。これに併せて、プレゼントやパネル展示も行われる。ばんえいはいいぞ~ヽ(`Д´)ノ
・ホリエモンが24日デビュー予定。そういえば……いや、これはまた別に書こう。
・今週末もイベント実施。
※詳しくは高知競馬公式サイトのニュースボードで。

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